馬券の買い方と競馬に掛かる税金について

はじめに

 

税金や馬券の買い方、SNSで良く見かけることに対して書いていきますが、私は税務署の職員でも何でもありません。

いまの現状、ありのままを書きます。それに対して個人的な意見も書いて行きますがそれが100%正しいかは分かりません。

なので、こういう考え方も1つあるのだなという感覚で読んでください。

特に誰かを批判したりという事ではなく、実際はこうで、それに対して私はこう思います。

そんなスタンスで書いていきます。

 

競馬にかかる税金とは

 

競馬の払い戻し金は「一時所得」となり、1年間で認められている特別控除の50万円を超える利益があった場合

原則として確定申告が必要になってきます。

 

2017年に一時所得ではなく雑所得として認められたケースもありますが、

これは超レアケースで、この判決に到るまで相当な時間が掛かりましたし最後に逆転判決が出るまでは一切認められていませんでした。

 

一応国税庁のホームページから引用すると

競馬の馬券の払戻金の所得区分については、馬券購入の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮して区分されます。
具体的には、馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合は、雑所得に該当すると考えます。
なお、上記に該当しないいわゆる一般の競馬愛好家の方につきましては、従来どおり一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費として控除できませんのでご注意ください。

 

上記をわかりやすくまとめると

 

・馬券を自動購入できるソフトウェアを用いている

・偶然性の影響を減殺するために年間通じてほぼ全レースの馬券を購入している

・偶然性の影響を減殺するために多数の馬券(馬券種)を購入し続けている

・購入し続けることで回収率100%を必ず超える仕組みが客観的に明らかである

 

必ず回収率が100%以上になる仕組みを客観的に証明でき、尚且つ全レースを自動購入し、馬券種もほぼ全てを購入している。

個人的な感想ですが、上記を見て「ほぼ不可能」だなと思いました。

このことからシンプルに競馬は雑所得ではなく一時所得で申告が必要である。と言えます。

 

一時所得の計算方法

 

年間回収金額-必要経費-50万円(控除)×1/2=所得金額

 

例:(1000万円投資の回収率120%の場合)

1200万円-1000万円-50万円×1/2=75万円

 

この75万円に対して課税されます。

課税金額は38200円(その他控除などによって変わりますがあくまでも目安)

所得に掛かる税率は以下のサイトを参考に計算↓

https://keisan.casio.jp/exec/system/1433300854

 

注意しなければならないのが、必要経費にハズレ馬券を含まないという点です。

上記のように1000万円まるまる経費になるパターンはほぼ無いです。

正確に言うと的中した買い目のみが必要経費として認められます。

 

わかりやすく説明すると

 

単勝1点100万円購入→的中(3.0倍)→300万円の払い戻し

的中組数→単勝100万円の1点100万円が必要経費

 

三連単BOX各100円100万円分購入→(30000倍的中)→300万円の払い戻し

的中組数→三連単BOXの内訳の1組100円100円が必要経費

 

同じ払戻金でも必要経費の差が99万900円も差があるんです。

 

ここから先は、あくまでもわかりやすいように極端な例で説明します。

 

プロ馬券師A 回収率110%(主な馬券種 3連単BOX各100円)

プロ馬券師B 回収率105%(主な馬券種 複勝1点買い各1万円)

 

ここに2人のプロ馬券師がいます。

どちらも年間回収率100%超えと素晴らしい成績、控除率を70%で計算すると一般の競馬ファンよりも40%多く払い戻しを受けている猛者です。

しかし買い方が少し違いますね、この買い方がどれだけ重要なことか説明します。

JRAの年間レース数は約3400レースあります。

上記2名のプロ馬券師は1レース同じ上限1万円で購入し、全て的中したとします。

 

Aは回収率110%ですから1万円×3400R=110%=3740万円の馬券利益

Bは回収率105%ですから1万円×3400R=105%=3570万円の馬券利益

Aは3400R×各100円(的中組み合わせ)=34万円が必要経費

Bは3400R×各1万円(的中組み合わせ)=3400万円が必要経費

 

一時所得の計算式

年間回収金額-必要経費-50万円(控除)×1/2=所得金額

 

Aの所得

3740万円-34万円-50万円×1/2=所得額1828万円
所得税の支払い金額 約461万円(あくまでも目安)

 

Bの所得

3570万円-3400万円-50万円×1/2=所得額60万円
所得税の支払い金額 約3万円(あくまでも目安)

 

税金を考慮した最終的な馬券収支

A 馬券収支+340万円 税金支払461万円
 手元残りマイナス121万円

B 馬券収支+170万円 税金支払3万円
 手元残りプラス167万円

 

あくまでも分かりやすいように極端な例で例えましたが、

必要経費が違うだけで税率が大きく変わりますから回収率で上回っていたAは馬券で勝っているのに税金を支払ったらマイナスです。

これ、実際本当にそうなるので現実は非常に残酷です。

理不尽だと思うでしょうが、これが現在の競馬の課税ルールになります。

ちなみに私は年間収支プラス50万円も行った事ないから関係ない、そう思った方いると思います。

残念ながらプラスでもマイナスでも年間の払戻金額の合計が50万円を超ええていれば、ほぼ確定で納税対象者です。

月額に直すと4万円弱、一週間に直すと1万円弱の払戻を合計で受けていた場合、たとえ収支がプラスで無くとも確定申告が必要となります。

これ、ほとんどの競馬ファンに該当すると思うんですよね、本当に理不尽だと思います。

 

少点数で馬券を当てる意味

 

このブログを開設当初から見ている人、SNSでの私の買い方を見ている人ならもう分かると思いますが、

私は「点数が少なければ少ないほど良い馬券」と考えています。

上記で説明したように、買い方1つで年間回収率が100%を超えていてもプラマイゼロどころかマイナス数百万円という税金がのしかかります。

良く目にする有名SNS予想家の「三連単マルチ」

私はこんな馬券ほど自分の首を絞めている馬券はないと思っています。

 

例えば

三連単マルチ2頭軸流し
A.B-CDEFGH 各2000円
36点 72000円

 

上記馬券を買うなら

三連複2頭軸流し
A.B-CDEFGH 各12000円
6点 72000円

 

私なら合計投資金額が同じである3連複の馬券で三連単よりも各点数6倍の金額で購入します。

極論はA.Bが馬券にならなければこの馬券は的中しないので

A.Bのワイド1点買いが最も必要経費を抑えることが出来ます。

高額的中画像をSNSで上げているほとんどの人が「三連単マルチ」

恐らく馬券で確定申告などしたこともない、もしくは年間トータルすると確定申告が必要だなと思うほど儲かっていない人がほとんどだと思います。

もちろん全員がそうだ、とは言いませんが、しっかりと毎年確定申告をしている、しなければいけないとう頭なら

私は三連単マルチ、WIN5などといった控除率も高く税率も高く何一つメリットがない馬券で勝負しようなどと思わないのです。

 

三連単じゃないと配当が安い?

 

断言しますがそれは気のせいです。

詳しくはこちらのタイトル買い方の研究をクリックし

「JRAのオッズのマジック」を御覧ください↓

買い方の研究

 

この記事を書いているのが、ちょうどG1シーズンが落ち着いた安田記念が終了した翌日に書いています。

私が大好きな競馬系YouTuberにニートボクロチキンさんが安田記念を完璧に的中させていたので、そちらを使って説明したいと思います。

 

 

先程説明したように、投資金額も的中率も同じにした場合

三連単マルチ

17.13-7.8.9 各2000円=36000円

三連複2頭軸

17.13-7.8.9 各12000円=36000円

 

 

三連単641.4倍×2000円=1282800円

三連複118.1倍×12000円=1417200円

三連単マルチの差額約-14万円

必要経費でも損をし払戻金でも三連複より損している

メリットゼロの馬券とはこのこと

 

注目して欲しいのが

4番人気→2番人気→8番人気

しっかりと人気逆転決着になっているのに三連複の方が利益が出ています。

馬連と馬単はしっかりとその差が出ていて

人気薄が人気馬を負かしたメリット(馬連よりも2.15倍)としっかり出ています。

 

近年ではマルチ買い=なんか配当付きそうなイメージが定着していますが

ここまで説明したきたように三連単マルチと三連複の必要経費の差は6倍、なのに払戻が逆転するケースが非常に少ない。

買い方のコラムでも説明したように本当にその馬券にメリットがあるのか、噛み砕いて考える癖を皆さんにつけて欲しいと思います。

たまたま安田記念を題材に説明しましたが、JRAの年間重賞レースは130を超えます。

これを年間で繰り返していたら必要経費でも配当でも数百万円単位で損をすることは改めて説明しなくても十分伝わったと思います。

 

※ニートボクロチキンさんが嫌いな訳でも否定している訳でもありません、毎週動画を観るほど大好きですし、しっかり毎回単複馬券も買われているお手本のような方々です。今回たまたま説明する例として使わせていただきました。

 

単勝複勝のススメ

 

下記は当ブログのメインコンテンツとも言える激走ZONE、次走注目馬の2022年6月現在の馬券収支です。

基本的には毎週無料メルマガで配信される次走注目馬を単複購入しているだけです。

 

買い目の内訳を見てみると

 

 

これ分かりますか?

馬券が全て1点買いなので、的中した時点で購入金額=必要経費100%計上できるのです。

これが3連単で全て勝負していたら、年間110%程度の収支なら税金を支払っても利益は間違いなく残りません。

自分は必要経費を計算せず確定申告も毎年無申告ですと自己紹介しているようなもの

何故、単勝、複勝が良いのか前回の買い方のコラムでも書いたように競馬は払い戻しを受けなければ必要経費として計上できないからです。

昔から再現性の無い馬券は全く興味がないと言い続けてきました。

競馬で夢を見なければ、特大万馬券を当てなければ意味がない、ロマンがない。

そう言う人は一生税金払ってマイナス街道貫いてください。

私は競馬と真剣に向き合い、決められたルールの中でどうやったら勝てるのか、考えた結果が単複勝負です。

もう的中率5%とかで回収率150%を狙う時代じゃないんですよ。

回収率が110%でも的中率をしっかりと保って必要な経費計上がしっかりとできないと、冗談抜きで破産します。

SNSで高額馬券に振り回される人は一生その道でもがくでしょう。

私には関係のない話だと思う人いるでしょう。

マイナンバーと銀行口座を連携させる未来もそのうちくるかもしれません。

JRAのPATにマイナンバー義務化になったらどうしますか?

発券機にマイナンバーカード通さないと馬券買えなくなったらどうしますか?

無知は有罪、知らなかったで逃げ切れる世の中じゃないので、今からでも全然良いです。

正しい知識を少しでも身につけ、理不尽な世界の中でどう競馬と向き合うか今一度考えるきっかけになれば幸いです。

 

 

ブログの印について

 

当ブログは毎回3頭しか印を打ちません。

それは下記の理由からです。

 

・訪問したユーザーに明確な推薦馬であることを伝えるため

・訪問したユーザーの予想にプラスアルファで追加しやすくするため

・少点数で馬券を的中できるようにするため

・収支の並をなるべく抑えるため

 

一番は印の乱れ打ちでユーザーを混乱させたくないのがあります。

7頭も8頭も印を打ってレース後ほら10番人気の推薦馬走ったろ?とドヤ顔されても疑問が残りますし

明確に◎が本命、○が対抗、▲が特注という役割をレース前の予想段階でもレース後でも明確であるべきと考えています。

有料予想ではないのでそこまで厳しくしなくても良いかもしれませんが、このブログのコンセプトに

「有料予想よりも優れた完全無料ブログ」というのを理念に毎日更新を心がけています。

そして実際の購入馬券はブログ説明にもあるように毎週3000円程度、G1は1万円ほど勝負するときも5レースに1回くらいの確率であります。

基本は単勝複勝ですが安田記念で今年初めて三連単を買いました。

当日は激走ZONE該当馬もいませんでしたし、安田記念のソングラインは死ぬほど自信あったので三連単買わせていただきました。

 

JRAの年間重賞レース数(障害除く)は約130レース

必要経費を差し引いて利益が50万円を超えていなければ確定申告の必要性はありません。

毎回3000円で購入し、必要経費が100%の場合は回収率130%を超えなければ大丈夫です。

回収率130%は全体でみても馬券購入者の5%未満になるでしょう。

130×3000円=39万円

確定申告に必要な50万円の利益を目安にした競馬を趣味として楽しめる一番ちょうど良いラインで当ブログは表記しています。

普通のサラリーマンをイメージして通常の重賞は1000円~3000円程度で買いますとルールを決めたわけです。

適当に書いているものではありません。

 

いつも派手さが無い、3連系の馬券に応用し辛いと結構辛口なコメントも届きますが、

今現在のG1成績を1つの例として書いてみたいと思います。

今現在この記事を書いた6月から追記更新しまして2022年8月、ちょうど上半期全てのG1が終了しました。

 

フェブラリーS

大阪杯

桜花賞

皐月賞

天皇賞春

NHKマイル

ヴィクトリアM

オークス

ダービー

安田記念

宝塚記念

 

ここまでの当ブログが予想した◎○▲の成績は以下

 

 

三頭の単勝を買っていたらどれか1頭が勝ち馬なら必然的に他の2つが2着以下なので、

◎の回収率が162.5%あるのに対して○の回収率が凹んでいるのは全然問題ありません。

それを証明するように◎が1着の場合○が2着だったケースが3回あります。

実質の1着なので馬連、馬単の収支がそれを証明してくれています。

◎○▲の単勝、◎から○▲馬連、馬単

全印ベタ買い単勝回収率は172.5%

◎からの馬連馬単合算は322.5%

三連単や3連複買わなくても十分利益が出せます。

むしろ必要経費は50〜100%(単勝3点なら33%)で計上できるので最終的な利益は三連系で毎回予想している必要経費5%前後の方々に比べ10倍以上と圧倒的なアドバンテージがあります。

少点数で馬券を的中させるメリット、競馬と向き合える現実的な馬券攻略

下半期も頑張って伝えて行けたらと思います。

 

あとがき

 

タイムリーな話題でインスタントジョンソンのじゃいさんがYouTubeで競馬の税金について動画を上げていました。

もしまだ見ていない方は探してみて下さい。

こちらからはリンクは貼りませんがサムネイルだけ↓

ちゃんと確定申告をしている人が見れば、少々疑問に思う点がいくつか出てくると思います。

動画の冒頭に「納税はしっかりしてました」

とありますが、確定申告をしっかりとしているのになぜ税務署が動いたのか

ここで考察するに(あくまでも私の勝手な予想です)

 

・申告漏れがあった

・申告に間違いがあった

 

上記2点に絞られると思います。

前者の申告漏れは非常に良くないことで、納税の意思があったのかなど厳しい追求があります。

100%申告者に非があることは明確なので、これをわざわざ動画にしたとは考えにくいです。

となると後者の申告間違い

恐らく動画の内容的にも「ハズレ馬券が必要経費として認められない」と何度もありますので、ほぼこの線で間違いないでしょう。

察するに一時所得を雑所得で申告していたのだと思います。

それが正しくは一時所得で、経費として計上していた分が追徴課税となり、税務署もしばらく泳がせたのでしょう。

延滞含め総額が数千万円となって破産という流れだと思います。

動画の内容が非常にショッキングだったこともあり、またたくまにSNSで様々な憶測が飛び交う中

私はこれを見たときに(恐らくちゃんと確定申告している人からみても)

 

じゃいさんが100%悪い

 

です。

嫌いとかじゃなく(むしろじゃいさん大好きです)冒頭でも説明しましたが競馬は原則として一時所得で申請する必要がある。

と何年もこのルールで時代は流れてきました。

恐らくYouTubeでの活動や、各種コラムやメディア等含め、必要な雑所得だったと考えていたのでしょう。

しかしそれは決められたルール外での話で、本当に個人的にも理不尽だなと毎回思うのですが競馬は99.9999%一時所得なんです。

交通量も少ないしこんなところに一時停止の札なんて絶対必要ないだろと思っていても、だれが見てもそう感じたとしても

止まれの赤い札が立っていたらタイヤをしっかりと止めて一時停止しなければ違反なんです。

裁判をすれば勝てるとおっしゃっていましたが、100%負けます。

100%勝つなら(勝つ=追加納税の必要がなくなる)のなら、なぜ戦わないのですか。

それは税理士も100%勝てないとわかっているからです。

あまりにも雑所得のハードルが高い超鬼仕様のルールにより、2017年の卍さんの判例以降更に厳しいものとなっています。

これはもう何が正解かはわかりませんが、せめても宝くじのように先に課税して馬券を販売すれば誰一人泣かなくて済むのではないかと私は考えます。

宝くじは1億当たろうが100億当たろうが、購入時点で税金を支払っているので申告の必要がありません。

このギャンブルに対する一時所得の解釈がまかり通るなら、パチンコの300分の1を当てたのは4円の1玉のみという事になります。

そんな馬鹿な話はないと思います。

そこにたどり着くまでに必ず必要な経費はあると思います。

本当に考えれば考えるほど「理不尽」この言葉が完璧に当てはまると思います。

長くなりましたが、今自分ができる範囲で税金と向き合っていただけたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。