買い方の重要性
単勝、複勝、馬連、馬単、三連複、三連単など様々な買い方がありますが、同じ意味合いになる馬券(同じ的中率)の買い方は多く存在します。
普段何となく馬券を購入されている方にはピンと来ないかもしれません。
例えば、
単勝と同じ的中率
馬単1着固定総流し、三連単1着固定総流し
複勝と同じ的中率
ワイド1頭軸総流し、三連複1頭軸総流し、三連単マルチ1頭軸総流し
馬連と同じ的中率
馬単マルチ
馬単と同じ的中率
三連単1着2着固定総流しなど
最近ではフォーメーションなど複雑な配置も可能ですので同じ意味合い(同じ的中率)に変換する事は大体の場合可能になります。
しかし、的中率は同じでも払戻金額は全然違ってきます。
先週の日曜日中山2Rを題材に説明しようと思います。

このレースは1番人気の14番が勝利しました。
例えばこれを上記のように同じ意味合いを持たせた単勝と馬単で比較してみます。
・単勝1点
・馬単総流し15点(16頭立て)
この場合、投資金額を同じにすると
・単勝14番1500円
・馬単14番1着固定総流し各100円 合計1500円
単勝的中時の払戻=1500円×1.7=2550円
同じ的中率なら馬単はこの単勝の払戻を超え無ければいけません。
馬単オッズ

しかしどうでしょうか、単勝と比較した場合に損をする25.5倍以下の配当が5個もあります。
25.5倍以上の配当になるには、2着に7番人気以下の馬が好走しなければなりません。
ここでJRA全体の人気別好走率を見てみましょう。(画像はumameshi.comさん参照)


7番人気以下の馬が連対する場合、上記の数字を見ると、非常に難しい事なのが良く分かると思います。
実際にこのレースは、2着に16番が入り馬単の払戻は690円でした。
これを単勝と比較すると馬単を4点以内で的中した場合に単勝を上回る事ができます。
これは単勝を1つサンプルに説明しましたが、ワイドや三連複、三連単など全ての馬券で考え方は同じです。
このワイドを3点で買う場合と複勝1点で買う場合に、どちらが有利なのか、少し噛み砕いて有利になる馬券、または不利になる馬券をしっかりと見極める必要性があります。
金額が大きくなればなるほど、1年間トータルで比較した場合などに非常に大きな金額差が生まれる部分なので、他の馬券と天秤に掛けるクセをつけてください。
人間の心理をついたオッズのマジック
購入する馬券を細かく見ていくと、JRAのオッズのマジックによって、いかにハズレ馬券に誘導されているかよく分かります。
先週の日曜日中京10R雅ステークスを例に説明したいと思います。

例えば上記のレースを下記で予想したとします。
◎14番マリオマッハー
◯1番テンザワールド
▲2番メイショウダジン
☆6番タイガーインディ
△4番、12番、15番
買い目
馬単◎-◯▲☆△ 各1000円 計6000円
三連複◎-◯▲☆△ 各500円 計7500円
一般的によく見る光景です。
本命の◎マリオマッハーからの流し馬券
オッズが割れていて単系の配当が跳ねやすいので馬単で勝負、三連複で保険を掛ける形
結果


馬単 25.9倍×1000円=25900円的中
三連複 42.3倍×500円=21150円的中
これを◎の単複に直した場合
馬単に使った6000円を◎単勝6000円
三連複に使った7500円を◎の複勝7500円
単勝4.1倍×6000円=24600円的中
複勝1.7倍×7500円=12750円的中
馬単は2着に指定した馬が入らなければ紙クズです、単勝は2着にどんな馬が入っても的中します。
三連複は1〜3着全ての馬を当てなければ紙クズです、複勝は選んだ馬1頭が入れば他がどんな馬でも的中します。
この払戻の金額差を貴方はどう感じますか?
オッズが割れている(配当が優遇される馬単の馬券を的中している)
1番人気が勝っている(複勝の配当が安くなる)
これだけ単複にとって不利な条件が揃っているにも関わらずその差額は微々たるものです。
もし1番人気が飛んでいた場合の複勝配当などを考えるとその差額は更に縮まります。
16頭立の組み合わせ的中率一覧
・単勝 1/16 6.25%
・複勝 3/16 18.75%
・馬連 1/120 0.83%
・馬単 1/240 0.42%
・ワイド 3/120 2.50%
・枠連 1/36 2.78%
・三連複 1/560 0.18%
・三連単 1/3360 0.03%
これだけ自分で外れやすい馬券種にリスクを転換した割に、その払戻の差額を見ると利口な選択とは言えません。
少なくとも的中率が倍以上違うのに払戻は数%しか上がりません。
これを天秤に掛けるとしたら
一方は継続的に払戻を受ける事ができ、一方は完璧に的中した場合のみ払戻を少し多くもらえる
年間トータルで見るとその的中率と差額がどちらに微笑むかは圧倒的に前者なんです。
微々たる金額差を取りに行く大多数の人が予定にない1頭の激走によって払戻の受けれない紙クズを手にするのです。
単勝複勝って儲からないイメージが非常に強いと思います。
◎を打ったその馬が強いと思ったのになぜ買えないのか?
それは配当金の安さです。
払戻確定後の三連単などのインパクトのある配当や、こんなにガチガチな銀行レースじゃ三連単じゃないと全然つかない、などの勝手なイメージで自ら馬券が外れやすい馬券種へと転換されていくのです。
リスクと回収を天秤にかけたとき、JRAのオッズによりほとんどの人がリスク側に向きます。
馬券種別控除率一覧
単勝 20%
複勝 20%
枠連 22.5%
馬連 22.5%
ワイド 22.5%
馬単 25%
3連複 25%
3連単 27.5%
WIN5 30%
JRAの取り分が低ければ低いほど長期的に見て勝ちやすいので単勝、複勝は最も勝ちやすい馬券種である事は客観的に見てもわかります。
最後に
気づいた方もいるかも知れませんが、題材に使ったレースは全て先週のものです。
選んでいる訳でもなく適当に1番新しいレースで説明してもこれだけ出てきます。
1年間の中で毎週勝負していくとなると、この差は有馬記念終了時には大きなものになっているでしょう。
今回はわかりやすいように流し馬券を中心に説明しましたが、他にもBOXなどの馬券種もあります。
買い方1つが勝敗を左右する世界、思っている以上に奥深い世界なのです。
馬選びについての記事もあるので是非ご覧ください。
→競馬で勝つ為に必要な馬選びの話