有料予想の本質
競馬はスポーツ・ギャンブルという二面性がある以上、馬券を買わずに好きな馬、好きな騎手を応援する一定のファン層と
馬券を買い、そのリターンを求めるギャンブル層、または両方を持つ層とで混合しています。
ギャンブル層ではより優れた予想を求め、有料で配信されている予想を購入する一定層も存在します。
今回はその「有料配信」について書きたいと思います。
まず、大前提として予想を買うのではなく本質としては「予想の過程を買う」です。
予想そのものを買っていたら、競馬はマイナスサムゲームですから(詳しくは馬券理論へ)買い目のみを配信していた場合
10年間一度も負けたことがない100%勝てるであろう予想でも、買いが集中すれば勝てなくなります。
これは買い手側も予想提供者側も気をつけなければならない部分で、もし買い目を配信するのであれば
ある程度分散する事が大切です(馬連、馬単、3連複、3連単など複数)
買い手側は、予想そのものを完コピ(いわゆる丸乗り)するのは通常より票が集中しているので得策ではなく、多少のアレンジが理想です。
しかし世間的に重視されるのは、買い目の結果のみで、その結論に至った経緯はほとんどの場合無視されます。
これをサッカーに例えるとするならば、前半後半フルタイムで激戦を繰り広げられた末、結果PK戦になり
そのPK戦の勝敗のみで強い、弱いを判断しているようなものです。

1本目 | 2本目 | 3本目 | 4本目 | 5本目 | |
予想師A | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
予想師B | × | ○ | × | ○ | ○ |
正直、先に説明したように競馬はマイナサスゲームである以上このPK戦には意味がありません。
本当に必ず勝てる買い目(絶対に外さないPK戦)であればあるほど認知度は高まり、票が集中し、結果100%勝てなくなります。
正確に言うならば勝ち続けることが不可能になります。
この事から買い目だけ配信して常にプラスを装っている予想師は、オッズに影響力のない人間であると言うことを証明しているので、基本的に偽物です。
では何が重要か、それはPK戦に至るまでに繰り広げられた激戦の過程にあります。

サイドチェンジや中央突破、セットプレーなどをうまく使い、時間帯によってはパワープレイに切り替えるなどして狙い目のレースを攻略するために色々な角度からアプローチしていったその過程です。
この部分が自分の予想にどれほどの影響力を与えたかが非常に重要で、最終的にその過程を考慮してあとは自分自身でゴールを決めるのが有料予想の本質です。
予想結果そのものを買っているのではなく、時間を買っていることを忘れてはいけません。
この時間にお金を出す出さないはユーザーの自由であり、有料予想が良い、悪いなどもありません。
配信者側にお金が入れば、よりサービスを発展させる原動力にもなりますしクオリティの維持にも繋がります。
決して予想を有料化することは悪ではありません。
しかし、買い手側も売り手側も本質を理解し、相手に対してどれだけの対価を提供できるか
または、自分が出来ない時間をどれだけ買えているかをしっかりと理解しなければなりません。
もう一度言いますが、予想の買い目を丸パクリで長期的に勝ち続けれる予想は存在しません。
売り手側もそれを理解しコンテンツ作りをしていかなければなりません。
買い手側は良いアシストをしっかり吸収し、最後にゴールを決めるのは自分自身ということを忘れてはいけません。
買い消しの発信
SNSをやるようになってから1つ気になったこと、それは
「○○は消し」
先に書いたように競馬はスポーツとギャンブルの二面性を持ちます。
応援しているファン層が、自分の大好きな馬の出走に対して○○は消し、○○を買うやつは養分
そんな発信を見て嫌な気持ちになるのは少なくありません。
もちろんスポーツである以上、応援している馬のことだけ書こう、という気持ちもわからなくは無いですが
ギャンブルでもあるので○○は絶対に買わない方が良いという意見が目に入るのも仕方ありません。
私自身、有馬記念でステラヴェローチェを絶対に消したいと書いた部分では
◎を予定していたユーザーから見なきゃ良かったと言われ複雑な気持ちになった事を良く覚えています。(リンク先 下部:有馬記念最終結論)
あくまでも個人の意見ですが、
思ったことはどんどん発信すべきだと考えています。
結局受け手側の処理の問題ですから、参考にする部分は参考にして無視すべき事は自分で排除すべきと思います。
特に多いのが「人気馬の消し企画」
自分に1円も入らないんだからそんなことする必要ない
1番人気は一番応援されている馬なんだから、わざわざネガティブな発言する必要ない
色々な意見もあるでしょうが、私からしたら競馬で1番人気を無視して予想することはまずありえません。
JRA全体の過去5年間1番人気
出走19486頭
1着6170頭 2着3747頭 3着2461頭 着外7108頭
勝率31.7% 連対率50.9% 複勝率63.5%
6割以上で馬券に絡んでくる馬を無視して馬券なんて買えないんですよ。
利益を上げるために、人気馬が凡走するタイミングをしっかりと見極めて発信するのはギャンブルの面から見ても非常に大切なことです。
特に1番人気は最も重要な馬券的要素で、むしろこの部分を正確に判定できれば勝利への近道とも言えるのではないでしょうか。
これをネガティブだからとか、消しをわざわざ発言しなくても良いなどと言うならば、
ギャンブル層を排除し、ファンが全員スポーツ層にならない限り無意味な願いです。
それを発信している本人がゴリゴリに馬券を買っているのですから中々面白い世界です…
長くはなりましたが結局は良くも悪くも自分次第
世間では「○○の本命だから消し」「予想被ったから消し」など色々なところで著名人の◎について書かれるときもありますが
そもそも人の予想に流されている程度の予想ということなんです。
もう少し自分の予想に根拠を持って、的中したときも外れてしまったときも納得できる範囲で競馬を楽しんで行ってください。
私も全力で吸収し、進化し、競馬という素晴らしい舞台を色んな人に楽しんでもらえるような未来作りに貢献して行きたいと思います。